【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 5-6)

ヴィパッサナー瞑想10日間コース DAY4-5(c)Megumi Mitani Nepal
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こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。

現在地:ネパール🇳🇵カトマンドゥ

2024年4月。ネパールにあるVipassana meditation(ヴィパッサナー瞑想)の施設で行われた「10日間コース」に参加しました。その時の体験談をレポートしています。

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ヴィパッサナー瞑想10日間コース(DAY 5)

いつも通り4:15に起きて4:30からホールでメディテーション。

DAY 3の午後から痛み始めた膝は、DAY 4の本格的なVipassanaの練習(全身をスキャンしつつ、1時間身体を動かない)を始めてから、更に痛みを感じるようになっていた。

今朝は座り始めて30分すぎた頃から、両膝が張るように痛い。

8:00-9:00のグループ・メディテーション(1時間動いてはいけない)の後、Assistant Teacherのチェックインがあった。

Teacherに「How are you?」と聞かれたので、両膝に痛みがあることを伝えると「Pain can be a tool. You feel pain, keep moving. Keep moving.」と言われた。

ジェスチャー付きで「Keep moving, keep moving, okay?」と「Keep moving」をだけを繰り返えされたので、はじめはよく分からなかったけど、自分なりにこう理解した。

痛みを感じても、スキャニングを続けていく。そして「足」とか「膝」という大きな範囲ではなく、もっと細かく見ていく。

ということかな?と。

「Pain can  be a tool」という言葉が響いたので、午後は膝の痛みをツールとして練習に使うことにした。

頭から徐々にスキャンしていき、膝にたどり着く。
そこで「膝に痛みがあるね、はい。では膝の少し下、スネはどうだろう?足首は?」とどんどん下に意識を下げていく。

すると、あんなに「痛い」と思っていた膝にあまり痛みを感じなくなった。

次のスキャンでは、より細かく観察するようにして「膝のこの部分は痛いけど、こっちは痛くないな」と、痛みがある場所はごく一部だと捉えるようにした。

痛みのある場所は、どうしても意識が向いてしまうので、長く留まってしまう=「痛み」を感じる時間が長くなる。

けれど、そこに留まらずにスキャンを続けていけば、痛みがあるところ以外に意識が向くので、痛みを感じなくなる、ということを体感した。

嘘みたいな話だけど、これを理解してから、最終日まで「膝が痛い」と感じることがなくなった。

そしてこの日からひたすら「微動だにしない」メディテーションを練習した。

1時間できることもあったけど、できない時の方が多かった。

練習を重ねていくことで、「このポジションだと痛みを感じにくい」「全く感じない」というコツみたいなものが、少しずつ分かってくる。

足の角度が数度違うだけで、頭の位置が少し前に倒れていたり、少し猫背になっているだけで、動かずに1時間座り続けることはできなかった。

その代わり、一度ポジションがハマると、「何時間でも座っていられる」と思うこともあった。

このポジションが決まった時は、自分が木になって地面に根っこが生えたような感覚があった。

地にしっかり根を張っているから、動かない。
動こうとしても動けない、ような感覚。
グラウンディングしている時と近いような感じがした。

「痛みはツールになり得る」という、学びのある日となった。

しかし、この日はこれだけでは終わらなかった。

はじめて「Noble Silence(聖なる沈黙)」を破る事件が起きた。

ランチを食べ終わった後、私はいつも通りシャワー&洗濯を済ませた。

ルームメイトは部屋のベッドでお昼寝していた。

私たちの部屋は、ファンを最大にしても部屋の中が暑いので、鉄製の重いドアも開けていた。

この鉄でできたドアは、強風の日はバンッ!バンッ!と、風が吹くたびにドアが動き、大きな音立てる。

なので、部屋にいる時は、ドアにロープをかけて、ドアが閉まらないようにしていた。

しかし、この日はそのロープが外れるくらい風が強かった。

突然「バンッ!!」と閉まったドアの音に、寝ていたルームメイトは驚いて飛び起きた。

「せっかく休んでいるのに、途中で目覚めてしまって気の毒だな・・。また同じことが起きるかも。」と思い、鉄のドアを閉めた。

これで、ドアがバタバタ音を立てることはない。

13時前になり、ホールまたは自室でのメディテーションが始まるので、私はいつも通りホールに向かうことにした。

ルームメイトはまだ寝ていた。

「起こした方がいいかな?でもNoble Silenceだしな。気持ちよさそうに寝てるから起こすのも気が引けるな・・」と思い、私はそっと部屋を出て、静かにドアを閉めた。

14:30からのグループ・メディテーションの前に、一度部屋に戻ると、ベッドに座っていたルームメイトが、笑顔で私の顔を見上げた。

Noble Silenceが始まって5日目にして、はじめてルームメイトと目が合った。
アイコンタクトも禁止だったので、彼女の顔を久しぶりに見た気がした。
毎晩、同じ部屋で寝ているし、ダイニングでも斜め前に座っているのに。

彼女はランチ休憩時にスヤスヤと寝ていたし、「疲れてたのかな?ホールにも来なかったし」と思って、小声で「Are you ok?」と尋ねると。

「You locked me in!!(閉じ込めたでしょ!)」と、いたずらっぽい笑顔で言われた。

5秒くらい何が起こったのか分からなくて「?????????」と思って、慌ててドアをみると。

部屋の鉄ドアには、なんと鍵が2つあった。
ドアの外側と内側に。
そして、その鍵は繋がっておらず独立した鍵だった。

え、どういうこと?
もしかして、外から閉めたら内側からは開けられない仕組み??
え・・・?そんな鍵ある??

思わず言葉を失った。
ショックだった。

Omg… I’m terribly sorry.. I can’t believe that what I did.. I’m so sorry.. omg.. This is the worst thing I could ever do to my roommate. I feel terrible…(ほんっとにごめんなさい。自分がしたことが信じられない。ルームメイトとして考え得る最も最悪なことしたよね、私。本当にごめんね。。)

と、うなだれるように謝ると、彼女は「It’s ok. 私が寝ていたから、風のせいで起きないようにドアを閉めてくれたことも分かってる。それに、鍵が1つではなく2つのだということも、あなたは今知ったんでしょ?」と笑顔で返してくれた。

自分がルームメイトを閉じ込めてしまったこと。
この部屋で6日間も過ごしているのに、鍵の仕組みを知らなかったこと。
そもそも、なんでこのドアに独立した2つの鍵を取り付けたのか?
と、信じられない事ばかりで、呆然としてしまった。

ひたすら謝り続ける私に対して、彼女は「ほんと気にしないで!そんなに申し訳なさそうにしないで。部屋でメディテーションしてたから大丈夫!」と笑顔で許してくれた。

女神。

心の広い彼女がルームメイトで本当によかった。

ヴィパッサナー瞑想10日間コース(DAY 6)

この日も前日と同じように、1時間全く動かない練習をした。

1日3回のグループ・メディテーションでは、3回とも1時間動かずに出来た。

自主練でも2回できた。

DAY 4で、あんなに痛いと感じていた膝の痛みも全くなく、1時間があっという間に感じることさえあった。

たった数日の練習で、1日5回も1時間全く動かずに座れるなんて、自分でも不思議だった。

その代わり、エネルギーを消耗するのか、ものすごく疲れる。

「瞑想なんて、ただそこに座っているだけでしょう?動かないんだし、疲れる要素なんてある?」

と思った方は、ぜひ1時間、試してみてほしい。

身体を一切動かさずに1時間座ってみて、もしできらたら、それを3回、5回と繰り返しやってみると、分かってもらえるかもしれない。

この日は、Vipassanaのコースでよく出てくる言葉「Anicca(アニチャー)」=「無常」が、何であるかを他者を通して学んだ。

グループ・メディテーションの後、Old Student(1回以上10日間コースを終えて、再度参加している生徒)のグループが、Assistant Teacherに呼ばれて話をしていた。

その中の1人の生徒が「足が痛いんです!」とTeacherに訴えていた。

Teacherは、他の生徒や私に伝えたように「とにかくKeep movingしなさい。Observeしなさい。」と伝えるも、その生徒は納得しない様子で、Teacherに反論していた。

その言い合い(同じことの繰り返し)がしばらく続いた後、Teacherがその生徒に「Aniccaが何であるか、理解している?」と尋ねた。

すると、その生徒は「何その質問。私のこと馬鹿にしてるの?」という態度で「もちろん!知っていますよ!知ってるけど、足が痛いんですよ!」と声を荒げた。

この反応を見て、私は生意気ながら「彼女はAniccaという言葉の定義を理解しているかもしれないけど、本質は理解できていない(もしくは受け入れていない)のだろうな」と思った。

私は仏教徒ではないし、New Studentなので、「Anicca(無常)」を正しく理解しているかも謎だけど、この数日間のVipassanaコースで学んだ理解で彼女の言動を見ると、彼女は「痛み」に執着していて、「変化」を受け入れるチャンスを見逃しているように見えた。

Teacherがどんなにアドバイスをしても、「痛い!痛い!」と「痛み」だけを主張していたので、アドバイスが耳に入っていなかったのでは?と思った。

それと同時に、私もDAY 3の座席変更を余儀なくされた後の数時間、「問題」や「原因」に捉われていたし、「私だって座席を変えてもいいはず」というエゴがあったな、と気づいた。

続く。

P.S. Anicca(無常)について詳しく知りたい方は、以下が参考になると思います。

バックナンバー

1.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」に参加してきた
2.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 0)
3.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 1-2)
4.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 3-4)
5.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 5-6)
6.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 7-8)
7.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 9-10)
8.10日間の「ヴィパッサナー瞑想」からの学びと気づき
9.「ヴィパッサナー瞑想」10日間コースに参加する人へのアドバイス
10.【ネパール】「シスターフッド」のように感じる仲間との出会い

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この記事を書いた人

自然と芸術を愛する旅人。世界各地で家を借りながら暮らす「デジタルノマド」9年目。40ヶ国。

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