【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 3-4)

ヴィパッサナー瞑想10日間コース DAY3(c)Megumi Mitani Nepal
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こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。

現在地:ネパール🇳🇵カトマンドゥ

2024年4月。ネパールにあるVipassana meditation(ヴィパッサナー瞑想)の施設で行われた「10日間コース」に参加しました。その時の体験談をレポートしています。

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ヴィパッサナー瞑想10日間コース(DAY 3)

朝4時。ゴングが鳴る。

4時10分になると、Serverがベルを鳴らしながら、各部屋のドアの前までくる。

「大丈夫、起きてるから、私たち」と思いながら、脳は全然起きていない。

ルームメイトは、先に準備を済ませ、4時15分に部屋を出ていった。

私も普段は10分以内で部屋を出るけど、この朝はどうしても水シャワーを浴びたかった。

昨夜が地獄のような暑さで、汗もかいたし、3時間しか眠れなかったので、目を覚ますために。

水シャワーを浴びてスッキリしたら

そういえば、4:30から6:30は「ホールまたは自室でメディテーション」だから、部屋でもいいってことだよね?

と思った。

これまで自主練習の時も、メディテーションをする時間は、毎回ホールに行っていたけど、この朝は「甘え」が出た。

Serverは全員が部屋から出て、ホールに来るまでベルを鳴らし続ける。

ホールに現れない私の部屋にServerが来て、「Are you okay?」と聞いた。

「大丈夫だけど、今朝は自室でメディテーションしたいです。」

「Ok.. 5:30からChantingがあるから、それまでにはホールに来て。」

「分かりました。5:30までにはホールに行きます」

と言って、自室のベットの上でメディテーションを続けた。

自室でメディテーションする場合は、部屋のドアを開けておく必要がある。

なので、そこにベッドがあるとはいえ、横になったり、寝たりすることはできない。Serverがチェックしに来るので。

「自室でメディテーションします」とは言ったものの、ただポーズをとってボーッと座っていたら40分経っていた。

5:20になったのでホールに向かうと、先ほどのSeverとすれ違い、彼女は私を見てニコッと笑った。「ちゃんと来たね」ということだと理解した。

そのまま6:30までホールでメディテーションし、朝食。

もはや、朝食とランチとティータイムだけが、私たちの生きがいとなっている。

数人の生徒が、食事の時間が始まる前からダイニングホールの中で待機したり、食べ物を要求していたようで、「ベルがなるまでは中に入らないように。」という注意書きが張り出されていた。笑

8:00からのグループ・メディテーションでは新しいテクニックがシェアされた。

鼻の奥で空気を感じるというもの。

昨日は鼻の入り口だったけど、今日は鼻の奥で、空気がhotかcoldか、どんな感じがするのかを観察するよう言われた。

Sensationというワードがたくさん出てきたので、とにかく感覚を研ぎ澄ます(感覚に意識を向ける)ことに集中した。

9:00になると、Assistant Teacherが数人ずつ前に呼び、グループでチェックインをした。

この日は「雑念がいっぱい浮かんでくるでしょう?それはだいたい何分で消える?5分?10分?雑念が浮かんだらトライアングルエリア(鼻)に戻りなさい」ということだった。

話が終わると、私ともう1人が呼び止められ、「あなたたち2人は今日から席が変わる。ネパリの女の子たちが去ったから」と言われた。

どうやら、ネパリ(ネパール人)の女の子数人が、ルールを守らなかったため、追い出されたらしい。

そしてこの座席変更が、10日間のメディテーション・コースで、私の「最大のチャレンジ」となった。

DAY 0を含むこれまでの4日間、私はこの施設で平和に過ごしていた。

「暑すぎて眠れない」「蚊に刺されても(生き物を殺すことは厳禁なので)我慢しなくてはいけない」という身体的な苦しみはあったけど、精神的な面はとても平和で落ち着いていた。

決して快適とは言えない環境ながらも、時に幸せを感じ、マインドフルに過ごしていた。もともとの性格もあると思うけど。

1日10時間のメディテーションの練習も、眠気や暑さで集中できないことはあっても、「苦しむ」ということはなかった。

それが、この座席変更によって、はじめて「ツライ」と感じた。

メディテーションに全く集中できなくなったのだ。

その理由は、隣に座っている女性だった。

彼女は、じっと座っていることが難しいのか、5分おきに体勢を変えたり、ため息をついたり、足をこちらの方に投げ出してストレッチしたり、とにかく落ち着きがない様子だった。

目を瞑っていても、彼女が動く音や波動が伝わってくるので、とても気が散って、「感覚を研ぎ澄まして呼吸を観察する」ことなどできなかった。

彼女の存在自体を完全にシャットアウトし、1時間ほどメディテーションに集中しようと試みるも、これ以上は「無理」だと感じたので、ホールを出て、自室で練習することにした。

ランチ後は、再びホールでメディテーション。

隣の女性は、午後になっても、落ち着く様子がなく、むしろ怒りやフラストレーションを増して、それをコントロールできずにいるようだった。

この日はとても暑かったので、ホールにクーラが入っていた。この施設にACがあったこと、これまで使わなかったことにも驚いたが、午後のホールは快適だった。

なので、そのままホールで練習したかったけど、隣の女性の動きや怒りのエネルギーが強すぎて、全く集中できない。

そこで、決断をする必要があった。

このままクーラーの効いた快適なホールに留まり半日を無駄にするか、45℃の自室に戻って練習をするか。

45℃の自室での練習は苦行だけど、半日を無駄にするよりはマシだと思った。

そもそもこの施設に来た目的は、メディテーションを練習するためで、ACが効いたホールに座るためではない。

意を決して、ホールを出て、日傘を差し、45℃の自室に戻り、練習を試みる。

「暑い・・。ボーッとする。鼻の奥の空気がHotかColdかなんて、Hotしかないよ。45℃の部屋にいるんだから・・。」とObserve(観察)ではなく、心の中で独り言(雑念)が渦巻いた。

17時のティータイム。

フルーツと食感の良いライスパフスナックを無心で食べながら

このままあの席で練習を続けるなんて無理な気がする。あと7日間もあの人の隣に座らなきゃいけないなんて。

「座席を移動してはいけない」というルールだけど、一部の中国人とネパリは、途中で移動してたよな・・。彼女たちが移動していいなら、私だって移動してもいいはず。早めに行って座席を変えて良いか相談しよう。

と思い、いつもより早めにホールに向かった。

けれども、TeacherとServerに相談するタイミングがなかったので、自分で座布団を動かし、1番後ろの席に座った。

グループ・メディテーションが始まる直前。
Serverがやってきて「なんで勝手に席を移動した?」と怒り気味の表情で聞かれたので「隣の人が多動で全く集中できないのです。」と伝えると、「Teacherには私から話すから、今すぐ元の場所に戻りなさい」と言われた。

この時の私の正直な気持ちは「That’s not fair. I saw some people moved their seat time to time, and nobody understands how difficult it is to sit next to that person.(なんで私はダメなの。他の人は移動してたのに。彼女の隣でメディテーションするのがどれだけ難しいかなんて、どうせ誰も理解できない)」だった。

ひとりでいても「寂しい」とか「孤独」だと感じることは滅多にない私が、この時、はじめて「孤独」だと感じた。そして悲しかった。

おそらく「私の意思は無視された」「聞かれていない」と感じたからだ。

人間は誰でも、「自分の意見を聞いてもらえない」「自分の意思(意向)を無視された」、と感じると、がっかりしたり、悲しくなったりするし、怒る人もいる。

強制的に元の席に戻され、1時間のグループ・メディテーションが始まった。

最初の5分くらいは「なんで私だけが我慢しなくてはいけないんだろう」とネガティブ・モードだったけれど、少ししたら考えが変わった。

もしかしたら、これは私に与えられたチャレンジなのかもしれない。そうであれば、私は乗り越えられるはず。

と、思った。自分を信じることにした。

20歳の私だったら、そんな風には思えなかっただろうけど、今の私は、ほとんど好きなことしかせず、自由に生きてきたとはいえ、それなりに様々な経験をしてきたので、「挑戦」や「課題」にどう対応すれば良いか分かっていた。

それに、正直に言うと、DAY1からDAY3までのメディテーションは、少し退屈に感じていた。

「呼吸に集中する」とか「呼吸を観察する」という初歩的なことを3日間もやってるけど、4日目以降もこんな感じだったらどうしよう・・と思っていたのだ。

だから、この「チャレンジ」は良いスパイスになると考えた。

今日1日で色んな事を感じた。
誰かに話したい、聞いて欲しい、他の人はどう感じるのか知りたい。

そんな時も「聖なる沈黙」が立ちはだかる。

誰にもシェアできない、自分と向き合うしかない環境は、人間を強くすると思った。

ヴィパッサナー瞑想10日間コース(DAY 4)

いつも通り4時すぎにベルが鳴り響く。

「今日もあの人の隣に座るのか」と思うと、正直気が重かった。

けれど、4:30からホールに行かないと、自分に負けた気がすると思い、気持ちを切り替えてホールに向かった。

彼女は今日も隣にいる。
どうすれば自分だけに集中できるかを考え、原点に戻る=Anapanaに集中することにした。

彼女の動きを感じるものの、昨日ほど気にならなくなった。

そして6:30までの2時間、耐えることができた。

朝食のPorridgeと豆スープを食べながら、平和な気持ちを取り戻していた。

昨日の「この座席変更は悪夢だ」という思いも、いつの間にか消えていた。

いつも通りのスケジュールを淡々とこなし、午後のグループ・メディテーションの時間がきた。

「今日からVipassanaが始まるので、タイムスケジュールが30分イレギュラーになる」と言われた。

今日から?昨日までの3日間はVipassanaではなかったの?

と思い、午後のインストラクションを聞いていると、これまでの3日間とは、明らかに違った。

そして「This is what I wanted!!!」と心が叫んでいた。

先述した通り、3日目までは正直「楽だな」「物足りないな」と感じていたので、新しい方法を学べることに興奮したのだと思う。

簡単に説明すると、これまでの3日間は「鼻のトライアングルエリアと呼吸の感覚」だけに意識を向けていたけれど、今日からは「頭からつま先まで、身体全体をスキャニングするように観察していく」というものだった。

そして「一切、身体を動かしてはいけない」という制約付きだった。
痛みを感じても、足を組み替えたり、姿勢を直したりしてはいけない。
蚊に刺されても、痒みに耐える。

特に、1日3回のグループ・メディテーションでは、「1時間、全く動いてはいけない」ということだった。

まさに「修行」のような、厳しい日々が始まると思った。

これまで1時間動かずに座れたのは、たった1度だけ。

だいたい30分くらいすると、足が痺れてきたり、膝が痛くなったり、単純に飽きてしまったり、集中力が途切れ、足を組み替えたり、首を動かしたりしていた。

それが、今日からは「一切、動いてはいけない」と。

午後から夜にかけて、インストラクション通り、頭からつま先まで、全身をゆっくり観察していく。

他の人がどのようにやっているのか分からないけど、私はまず、頭からつま先の各パーツに話しかけ、チェックインした。

“Hey brain, how are you doing?”
“Good? Ok, how are you eyeballs? Nose? Lips? Right ear? Left ear?”

と徐々に下に向かって各パーツに話しかける。

“How are you heart? Yea, I know it’s so hot..”

“Keens? Oh, I know.. You are in so much pain, since you can’t really move.. I feel you..”

こんな感じで、自分の身体のどこに痛みや違和感を感じるかを把握した。

つま先まで終えると、次は会話形式ではなく、ただ観察することにした。
そしてこれを何度も繰り返していく。

こんな感じで、この日の午後から夜まで、頭からつま先まで観察することを続けた。

続く。

バックナンバー

1.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」に参加してきた
2.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 0)
3.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 1-2)
4.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 3-4)
5.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 5-6)
6.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 7-8)
7.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 9-10)
8.10日間の「ヴィパッサナー瞑想」からの学びと気づき
9.「ヴィパッサナー瞑想」10日間コースに参加する人へのアドバイス
10.【ネパール】「シスターフッド」のように感じる仲間との出会い

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この記事を書いた人

自然と芸術を愛する旅人。世界各地で家を借りながら暮らす「デジタルノマド」9年目。40ヶ国。

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