【完全にトラウマ】アメリカの入国審査で別室送りになった話

immigration (c)Megumi Mitani Travel
まだ午後3時なのに「何もしたくない」とふて寝するわたし。
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こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。

現在地:アメリカ🇺🇸 カリフォルニア州 サンフランシスコ
この記事を書いた人

自然と芸術を愛する旅人。2015年より世界各地で家を借りながら暮らすデジタルノマド。40ヶ国。

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前回の記事通り、快適なJAL便でサンフランシスコに着いた私。

「予定よりだいぶ早く着いたー!」と思っていたら、とんでもないことになりました。

アメリカ、サンフランシスコ空港(SFO)のイミグレーション(入国審査)で、別室送りにされ1時間拘束・尋問されました。

ここ数年、アメリカのイミグレは質問や態度が厳しくなっているのを実感していたし、いつかはこの日が来ると思っていました。

この記事では、なぜ私が別室送りになったのか、イミグレーションでの会話のやりとり、別室はどんな部屋で何を聞かれるのか、イミグレで気をつけた方が良いことをシェアします。

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イミグレーション(入国審査)での会話

飛行機を降りてレストルームで身支度を整えた後、イミグレーションに向かいました。

ニューヨークやロサンゼルスの空港にあるKIOSK(自分でパスポートと指紋をスキャンして、写真を撮る機械)もあったけど、KIOSKを使っている人はおらず、全員が入国審査官がいる列に並んでいました。

全員と言っても20人ほど。私が列の最後で、その後は誰も来ませんでした。

入国審査官は5名。4名はアジア系男性、1名は白人赤毛男性。

「Next!」と私を呼んだのは白人男性。
この時嫌な予感がしました。

というのも、この審査官は私の前のニュージーランド人男性は通して、その前のアジア人女性を別室送りにしたのを見ていたからです。

入国審査官
入国審査官

何日滞在する予定?

2ヶ月半
入国審査官
入国審査官

誰かと一緒か?それともひとり?

ひとりです

入国審査官
入国審査官

ひとりで2ヶ月半も何するんだ?

旅行ライターなのでアメリカを旅して記事を書くんです。

入国審査官
入国審査官

サンフランシスコに2ヶ月半もいるのか?

サンフランシスコは約1週間。その後クリスマスの為にオハイオに行って、その後はポートランドに滞在します。帰国はロサンゼルスから東京です。

入国審査官
入国審査官

どこに泊まるんだ?

今日は空港近くのホテルで、明日から1週間は彼の友達の家。ポートランドはAirbnbです。

入国審査官
入国審査官

お前、嘘ついたな!さっき1人って言ったじゃないか。

日本から1人で来たので「1人」って答えたんです。

入国審査官
入国審査官

いいか。俺はお前がアメリカで何をしているか全て知っている。ここに去年アメリカで稼いだ額を書け!

え…?アメリカで働いていないので書けません。

入国審査官
入国審査官

嘘つけ!6日前にもアメリカで稼いだくせに。

エクスキューズミー?(ちょっと何を言い出すの?)あなたが言っていることが真実なら証拠かデータを見せてください。

入国審査官
入国審査官

お前を別室送りにする。

と言って、他のスタッフを呼び別室へ連れて行かれました。

私が別室行きになった理由

私が別室送りになった理由はいくつかありそうですが、決定打は入国審査官が「こいつ(私)は嘘をついている」と判断したからです。

先のやり取りで最初に「ひとりで来た」と言ったのに、「彼」がいて、その「彼の友達」の家に泊まる、と言った私を「怪しい」と思ったのでしょう。

イミグレーションでの嘘は100%ダメです。

私からすると、私は嘘を付いていません。
「誰かと一緒に来たか?」と聞かれたから「ひとりです」と答えただけ。

しかしこの入国審査官からすると「彼?彼って誰だ?」「彼の友達って誰だ?」となるわけです。

私はここ数年毎年2〜6ヶ月アメリカに滞在しているので「アメリカに家族や知り合いがいるのか?」とほぼ毎回聞かれます。

今回は聞かれなかったから答えなかっただけ。

聞かれていたら「はい。友達は何人かいるし、アメリカ人のパートナーがいて今日空港に迎えに来ます。」と答えたのに・・・。

入国審査官が一瞬でも「怪しい」と思えば終わりです。他にも疑いをかけてきます。

アメリカで働いてもいないのに「去年稼いだ金額を書け!」と言いがかりをつけてきたのもそのせいかと。

そして私が「証拠を見せて」と言ったのも、生意気な態度だと思われたのかもしれません。

(2023年11月追記)近年、日本人女性がアメリカで違法に働く「出稼ぎ」が増えているそうです。。特に「出稼ぎ」労働者が多い空港では、一般観光客の女性に対しても入国審査が厳しくなるかもしれませんが、「観光が目的」であれば入国できないことはない(観光だと証明できる)ので、心配しなくても大丈夫でしょう。

別室の待合室は携帯使用禁止

TSAスタッフに連れられ別室に入りました。部屋の前方にカウンターがあり、あとは椅子が並べてあるだけの殺風景な部屋。

私のほかにアジア人とヒスパニック系が6名ほどいました。

待合室のカウンターにいるスタッフにパスポートを渡して椅子に座ると、額縁に入ったトランプ大統領の写真が目に入りました。

「Thanks, Trump..」と冷めた気持ちで彼の写真を眺めていると、順番に人が呼ばれていきます。

この別室でも私は最後。

空港に迎えに来てくれているパートナーは、私が別室送りになっていることを知る由もないので「空港に着いたけど別室送りになった」とメッセージを送ると、部屋に入ってきた中華系女性スタッフに「ちょっとあなた。携帯切りなさい。ここでは禁止!」と睨まれました。

確かにそうだよね。。と思いスマホをしまい、顔を上げると、真正面にあるトランプの写真がまた目に入りました。

口角を上げニヤリと笑っているように見えるその顔をボーッとみていると「めぎーむみたに?」と私の方を見て言う男性が。

「英語話せるか?」と聞かれ「はい」と答えると、別室の待合室から、さらに別の部屋に移動するよう言われました。

待合室にいた6人中3名はカウンターに呼ばれて、2,3分話をして入国スタンプもらってすぐに出て行ったので、「私もその程度だろう」と思っていたら、違いました。

別室から更に奥の部屋へ連れて行かれました。

あぁ。これは長くなるなぁ・・

と覚悟を決めたのでした。

別室の尋問で聞かれたことと会話

イタリア系(予想)白人の入国審査官による取り調べは1時間弱かかりました。

最初の入国審査官と同じ質問を繰り返し、矛盾点が無いか確認しているようでした。

幸い、この入国審査官は最初の入国審査官より話しやすい人でした。

自分に関すること

滞在期間、出国日、出国する際の航空券、滞在するホテル、2ヶ月半アメリカで移動するルートと移動手段、所持金、クレジットカードの枚数、銀行口座の数と貯金額、仕事内容、月収、クライアント、居住地、税金などありとあらゆる個人情報を聞かれました。

パートナーに関すること

そして話はアメリカ人であるパートナーについても。いつどこで知り合ったか、何年付き合っているか、何人か。彼の仕事、収入、貯金額など個人的な質問もされたけど「それは個人情報だから私が回答する立場にありません。もし聞きたいなら今空港に来ているから本人に直接聞いてください。」と言うと「じゃあフルネームと電話番号を」と聞かれました。

チェックされたもの

ある程度質問が終わると、所持品のチェックをされました。

お財布

まず最初はお財布。
クレジットカードから身分証明書やショップカード、名刺、コインまで、中に入っているものを全て確認していました。

バックパック

その後、機内持ち込みしたバック。
化粧ポーチは全て出してチェックしていたけど、それ以外はサーっと見ただけ。

「他に荷物は?」と聞かれ「スーツケースが1つ」と言ったけど、そちらはチェックされませんでした。

携帯電話(スマホ)

そして最後に携帯電話。

「携帯をチェックする前に、ひとつ確認しておきたいことがある。ドラッグ関連のものはないと言い切れるか?もし君や彼氏がドラッグをやっている写真を見つけてしまったらアウトだから。」と言われました。

「ドラッグ!?私たちはドラッグに興味ないし、隠すようなものは何もないからどうぞ。」と言って携帯を渡しました。

アメリカではこうやってイミグレや警察が携帯のデータをチェックすることに対して神経を尖らせる人が多く、携帯は個人情報だと言って拒否する人も多いとか。

私は特に見られて困るものもないし、見せて納得するならそれで良いと思って「はいどうぞ」と渡しました。

入国審査官が私のiPhoneで何をしているのか、こちらからは見えなかったけど、15分以上操作していたと思います。

途中、写真を見せられ「これは京都か?」とか「これはどこだ?」と聞かれたけど、それ以外はずっと無言の時間が続きました。

大人しく黙って待っていたけど、パートナーを待たせていることを思い出し「何か怪しいもの、見つかりました?」と話しかけると「いや・・。無いね。」と。

あるわけない。
私のiPhoneには、旅の写真、食べ物や愛犬の写真、下手すぎるセルフィーぐらいしか無いから。

もうアメリカに来ない方がいいか聞いてみた

「待合室にいるスタッフに入国スタンプもらったら終わりだよ」と言われ、審査は無事完了。

最初は質問責めだった2人目の審査官も、途中からフレンドリーになったので、最後に聞いてみました。

わたし、もうアメリカに来ない方が良いと思いますか?今後もアメリカに来る度に、こうして取り調べを受けないといけないなら、正直あまり来たいとも思えないけど・・。

すると審査官は「君が来たいなら来ればいいさ。ただし、今後もこうやってインタビューを受ける可能性は高い。特に君のように何度も長期間で来ている場合は説明が必要なんだ。分かるだろ? 今回のように何も無いって証明できれば問題ない。」と言って「じゃ楽しんで。」と送り出してくれました。

無事入国してから出てきた感情

immigration (c)Megumi Mitani

午後3時なのに「今日は何もしたくない」とふて寝するわたし。

「いつかはこの日が来るだろう」と思っていた私でも、実際別室送りになると精神的にかなり疲れました。

最初のイミグレーション・スタッフに対する怒り。

違法なことは何もしていないのに疑われる悲しさ。

自分のライフスタイル(フルタイムトラベラー/デジタルノマドの暮らし)を第三者に理解してもらう難しさ。

「きちんと説明さえ出来れば入国できる」という変な自信。

入国スタンプを押してもらい、別室のドアを開けた時の開放感。

バケージクレームで見当たらない私のスーツケースを一緒に探してくれたスタッフ3名の優しさ。

発見したスーツケースの横に「WELCOME TO SAN FRANCISCO」というJALのメッセージを見つけた時の嬉しさ。

そして、空港に迎えに来てくれていた彼を見つけた時の安堵感。

いろんな感情が一気に襲ってきて、空港を出てからその日寝るまでの10時間、ずっとイミグレで起きたことを考えていた気がする。

その間、パートナーである彼はもちろん、彼の家族、アメリカの友人達からたくさん励ましてもらったことは本当に有り難かったです。

温かい友人達の支えと、嫌なことをすぐ忘れる性格のお陰で、翌日からはすっかり元気になりベイエリアでの滞在を満喫しました!

ちなみに。アメリカの友人の中には「CBPにクレームを入れるべき!」「ひどすぎる!」と私以上に怒っている人たちもいて驚いたのですが。

どうやらアメリカの都市部で「出稼ぎ」をするアジア人女性が多く、近年は夜の街で不法就労して逮捕される日本人もいるから警戒されているのだとか。

それを聞いて、友人たちが怒っていた理由が分かりました。(興味深いことに怒っていたのはみんな白人。アジア系アメリカ人や混血の人たちは同情的なコメントが多かった)

「国境を守ること」がCBP職員の仕事ではあるけど、メキシコの少年が殺されてしまった件もあるし、不当な対応をする職員もいるのは事実なので。

サンフランシスコ国際空港のイミグレは厳しいらしい

baggage claim jal(c)Megumi Mitani後から聞いた話だけど、サンフランシスコのイミグレは評判が悪いそうです。

私はSFOで入国したのは今回が2度目だったけど、前回は普通に通れたから知らなかった・・・!

次回以降は、別の空港で入国しようと思います。
(2019年7月追記:LAXで入国したら5分で通過できました↓)

今回は実際に私の身に起こったことを書きましたが、これはかなり珍しいケース。アメリカに1週間ほど観光目的で入国する場合は、まず問題なく入国審査を通過できますので、あまり心配なさらずに!

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Comment

  1. Kaori より:

    Megumiさん初めまして!旅情報の検索からこちらに辿り着き、今回の記事がっつり読ませてもらいました。まさに‼︎私も同じ経験をした事があって、思わず共感のコメントをしたくて。。。私も検査官には”えっ?”となるような根拠のない疑い、個人的な質問、彼との関係、怒りが込み上げるのをぐ〜っと抑え、繰り返しされる質問にただひたすら答えるを経験して何とか釈放?!、到着地で彼の顔を見た時は涙が溢れたのを思い出しました。それもSFOでした!!なので、やっぱり〜とすごく共感を覚えました。
    私もPart timeトラベラーで、アメリカを中心に点々と動いてます。Megumiさんの記事とても参考になります。体に気をつけて、色んな記事書いてくださいね!

    • 三谷めぐみ より:

      Kaoriさん、はじめまして!
      コメントありがとうございます?

      KaoriさんもSFOで同じ経験をされたんですね・・!
      あの屈辱的とも言える根拠のない疑いは本当に苦痛ですよね。大変でしたね?

      Part-time traveler、いいですね??✨
      アメリカか世界のどこかですれ違っていたらオモシロイですね!

      マイペースに続けているブログですが、また読んでいただけたら嬉しいです!
      ありがとうございます?

      三谷めぐみ

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