こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。
2024年4月。ネパールにあるVipassana meditation(ヴィパッサナー瞑想)の施設で行われた「10日間コース」に参加しました。その時の体験談をレポートします。
前回の記事は↓
ブッダ生誕の地「ルンビニ」に到着
今回ネパールに来たもうひとつの目的である「ヒマラヤ山脈のトレッキング」を終え、ヴィパッサナー瞑想の10日間コースに参加するため、Lumbini(ルンビニ)へ移動。
インドとの国境に近いルンビニは、「ブッダ生誕の地」として知られている。
世界遺産にも登録されているので、多くの人で賑わっているんだろうな、と思っていたら大間違い。
ルンビニのメイン通りに到着すると、
人が、いない。
人より野良犬の方が多い。
他に外国人観光客がいないせいなのか、四方八方から地元民の視線を感じる。。
ここ、世界遺産だよね・・?
とりあえず、前日に予約しておいたホテルを探す。
まるで砂漠にいるような熱風の中、Google mapのルートに従い、舗装されていない道を進む。
道端に椅子を出して座っている地元の人と目が合ったので、「ナマステ」と挨拶しながら、スーツケースを無理やり引きずるようにして歩く。
彼らは「ナマステ」と返してくれたものの、不思議そうな顔で私の方をじーっと見ている。
強い日差しの下、砂埃が舞う道を2分ほど歩き、目的地に到着すると。
今夜泊まるはずのホテルが、ない。
ホテルがあるはずの場所は空き地で、ニワトリがゴミを突いている。
え、ホテル、どこ?
気温43℃の熱風の中、途方に暮れ、ボーッとしていると、近くのホテルの警備員さんらしき人が近づいてきた。
「あぁ、そのホテルは2本向こうだよ。あのビルだから。」と教えてくれた。
スーツケースを引きずり、来た道を戻ろうとすると、「そこ突っ切れるよ」と、彼が指差したのは、ニワトリ4羽と、タイヤやレンガなどが放置された、ゴミだらけの空き地。
回り道しなくて良いように、近道を教えてくれたんだよね。ダンネバード(ありがとう)。
と思いながら、ニワトリを驚かせないよう、スーツケースを持ち上げながら空き地を横切って、ホテルに到着。
ホテルの敷地はわりと広そうだけど、フロントにもレストランにも、誰もいない。
「ハロー!ナマステー!」と5回くらい叫ぶと、キッチンで寝ていた男の子が、びっくりした様子で出てきた。
英語が通じないので、予約画面を見せると、部屋に案内してくれた。
ホテル予約サイトに掲載されている、新しくてモダンな客室とは程遠いものの、ベッドやバスルームはきちんと掃除され、清潔そうだったのでひとまず安心。
荷物を置いて、近くのレストランでランチを食べてから、Vipassana センターがある場所まで歩いてみることにした。
気温は35℃くらいまで下がっていたので、日傘があればそこまで暑くは感じなかったけれど、とにかく砂埃がすごい。
途中、大きな白い牛、野生のキジ、ヤギ、猿とすれ違いながら、ルンビニのVipassana センター「Dhamma Janani」に到着。
Webサイトには施設の写真などは載っていないので、どんな建物で、どんな部屋で眠るのかも全く分からなかったけど、手作り感溢れる、煉瓦造りの建物に見えた。
「明日から12日間ここで過ごすんだなー」と思うと、正直「大丈夫かな?」と思った。
Dhamma Jananiの目の前に、ミャンマー寺があったので立ち寄ると、インド人夫婦が近づいてきて「あなた日本人でしょ?写真撮って」と言われた。
彼らは仏教徒で、インドから「聖地訪問に来た」という。「インドに来たことはあるか?この場所は知っているか?」と色々質問された。
そのまま「マヤ・デヴィ寺院」の方に向かって歩くと、ネパール人やインド人の参拝者がたくさんいた。外国人旅行者も数人見かけた。
川越しに、大きくてオレンジ色をした太陽が沈んでいくのを眺め、ホテルに戻った。
明日からの10日間コースに向け、準備するために。
ヴィパッサナー瞑想10日間コース(DAY 0)
朝6時。ホテルの部屋のドアをものすごい勢いで叩く音がした。
火事か事件でも起きたのか?と思って、ドアを開けると、おじさんが立っていて「あ、間違えた」と。
向かいの部屋のドアを叩き始めた。
このホテルは結構広いし、部屋数も多いのに、あまりに静かなので、私しか泊まっていないものだと思っていたら、他にもお客さんがいたようだ。
目が覚めてしまったので、着替えて1階に降り、ホテルのテラスで朝食を食べ、ホテルをチェックアウト。
別のホテルへ移動し、スーツケースを預かってもらうことにした。
Vipassana センターの部屋のサイズも分からないし、カメラやMacを持って行っても、結局事務所に預けることになるので、全て置いていくことにした。
参加承認のメールには「11:00AMから14:00PMの間に受付をするのでそれまでに来てください」と書いてあった。
時間に余裕があったので、センターに向かう前に、前日にランチを食べたレストランに寄ることにした。
これから12日間、好きなものを食べられないから、「最後の晩餐」的に自分の1番好きなものを食べておこう!
と思い、フルーツサラダをオーダー。
地元の人は「フルーツサラダ」なんか頼まないのか、店主は近所のお店にフルーツを買いに出かけた。
10分くらいで戻ってきて、フルーツをカットし、お皿に盛り付け、出してくれた。
私が無心にフルーツを食べる様子を、興味深そうに見守る店主。
はぁ〜これで12日間がんばれる気がする!
レストランを出て、日傘を片手に、Dhamma Jananiに向かう。
12:30頃到着すると、すでに複数の参加者が受付をしていた。
ヴィパッサナー瞑想の施設では、男女のスペースがきっちり分けられており、一切の接触ができないようになっている。
受付も男女別々の場所で行われた。
複数の書類に必要事項を記入し、規則を読み、同意書にサインをして、部屋が割り当てられるのを待つ。
1人の担当者が、複数の参加者の登録を同時に行うので、1時間くらいかかった。
ようやくレジスターカード(参加登録書)が渡され、部屋に移動。
先に到着していた他の女性参加者に、女性専用の建物へ案内してもらった。
与えられた部屋は、2人部屋で、ベッドとなる台の上に、布団やシーツ、モスキートネットが置いてあるだけの簡素な部屋だった。
そこに、スクワット式のトイレとシャワーと洗面台のあるバスルームがくっついている。
本当にただ寝るだけの場所だ。
特に説明もないけど、おそらく各自で掃除をし、ベッドをセットアップするんだろうな、と思い準備していると、12日間同じ部屋に滞在することになる「ルームメイト」が来た。
「Hi」と挨拶をした瞬間、「あ、彼女とは仲良くなれるな」と、すぐに思った。
彼女とは、共通点や、感じること、考えていること、通じることが多く、彼女も最初から私との「つながり」を感じていたらしい。
部屋の掃除とベッドのセットアップが終わったので、オフィスに向かう。
スマホ、カメラ、パソコン、本など持ち込み禁止のものと、パスポートを預けるために。
昨日までは「12日間もiPhoneを触れない(誰ともコンタクトを取れないし、メールチェックもできない)のか・・」と思っていたけれど、友人や家族には「12日ほど音信不通になる」と、事前に知らせていたので、意外にもあっさりとiPhoneを預けられた。
貴重品を預けた後は、ダイニングホールで夕食が提供された。
Porridge(おかゆ的なもの)と、カレー風味の豆スープ、テンペと野菜を煮込んだもの。
シンプルだけど、とても美味しかった。
Vipassanaの施設で提供される食事は、全てベジタリアン食。アレルギーなど、よほどの理由がない限り、みんな同じものを食べる。
夕食の時点では、まだ会話することが許されていたので、他の参加者たちと談笑しながら食べた。
その後、参加者全員がホールに集まり、明日からの10日間についての説明があった。
女性は35人ほど、男性の方はあまり見れなかったけど、40人以上はいたように思う。
ルンビニのコースは、ヒンディー語と英語なので、全ての説明が2言語で行われた。
しかし、英語になると声が小さくなったり、読み上げている文章が途中で途切れたりして、かなり聞き取りにくく、ほとんど聞こえなかった。
最初は「私だけかな?」と思っていたけど、英語が母国語の人も「何言ってるか全然分からなかった。」と言っていて、「明日からのコース大丈夫かな?」と英語話者同士で話していた。
こんな風に、人と会話ができるのは、今日まで。
明日からは「Nobel Silence(聖なる沈黙)」が始まるため、誰とも会話することも、目を合わせることもできない。
夜は21:30消灯、4:00起床という生活が、いよいよ始まった。
続く。
バックナンバー
1.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」に参加してきた
2.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 0)
3.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 1-2)
4.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 3-4)
5.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 5-6)
6.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 7-8)
7.【ネパール】ヴィパッサナー瞑想「10日間コース」体験レポート(DAY 9-10)
8.10日間の「ヴィパッサナー瞑想」からの学びと気づき
9.「ヴィパッサナー瞑想」10日間コースに参加する人へのアドバイス
10.【ネパール】「シスターフッド」のように感じる仲間との出会い
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