こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。
コロナ禍のステイホーム中に始めた自家製天然酵母パン作り。現在も飽きることなく焼き続け、Sourdough Bread Note(パン作りの記録メモ)も100件を超えました。
今回は、パン作り初心者でも作れるサワードウのレシピと、失敗しないコツをご紹介します!
サワードウ・ブレッドってどんなパン?
パン作りを始める前に。サワードウの歴史背景を知っておきたいと思いませんか?
サワードウ・ブレッド(Sourdough Bread)の発祥は、アメリカ🇺🇸カリフォルニア州北部のサンフランシスコ。
ゴールドラッシュ(金の採掘ブーム)が始まった翌年の1849年。フランスからの移民であったパン職人の息子Isidore Boudinが、天然酵母を持ち込んだのがきっかけと言われています。
そう。サンフランシスコの観光名物もである、円形のサワードウ・ブレッドの中にたっぷりのクラムチャウダーで有名な、あの「Boudin」です。
サンフランシスコの気候が天然酵母にとって良い環境であったこともあり、サンフランシスコを含むベイエリア一帯でサワードウが日常的に食べられるようになっていったのです。
その後「Tartine」や「Acme Bread」他、人気のベーカリーでもサワードウが売られるようになり、現在も地元民から愛されています。
私はAcme Breadの大ファン!特にオリーブ・ブレッドは本当に美味しいからサンフランシスコ(本店はBerkeley)に行ったら是非食べてほしいです♡
サワードウ・ブレッドの材料
それでは、サワードウ・ブレッドを作って行きましょう!まずは材料から。
◆所要時間:
18〜26時間(気温や酵母の状態、スケジュールによる)
◆材料:直径18-20cm
自家製天然酵母(Starter) 60g
強力粉 200g
水 140g
塩 2g
米粉 少々(強力粉・セモリナでもOK)
◆必要なツール
計量器
ボウル(または大きめのタッパー)
大きめのスプーン(手で混ぜる人は不要)
ペストリーボードやマット(無い場合はキッチン台を消毒)
バヌトン・発酵かご(ボウルで代用可)
クープナイフ(キッチンバサミでもOK)
布巾(オーブンシートでもOK)
蓋つきの耐熱鍋(ダッチオーブン、ル・クルーゼ、土鍋など)
サワードウ・ブレッドの作り方
1日目:生地作りから発酵まで
1. 混ぜる(10分)
大きめのボウル(またはタッパー)に、材料(強力粉、水、天然酵母種、塩)を全て入れて混ぜる。手で混ぜても良いけど、私はスプーンで混ぜます。
天然酵母種と水を先に混ぜてから、粉に入れると均一に混ざりやすいです。
2. 寝かせる(30分)
生地がひとつにまとまったら、ボウルに蓋をして30分置く。
生地が乾かないよう、必ず蓋(ラップやシャワーキャップでも可)をしましょう。
3. ストレッチ(30分×4回)
ボウルの中で生地を伸ばす。
生地の上下左右を一箇所ずつ持ち上げて、真ん中に落とす感じで、ふんわりと折りたたむ。
ポイントはやさしく、1回だけ。
30分毎に4回、同じことを繰り返す。
私はスプーンでやっていますが、生地の感覚が掴めるまでは手でやった方が「ストレッチ」感が分かって良いと思います。
4. 寝かせる(3-5時間)
ストレッチが終わったら、ボウルに蓋をして3〜5時間、室温で寝かせる。
パン作りの工程で必須の「捏ね」を省略する代わりに、時間をかけて生地を寝かせることでグルテンを作っていきます。
生地にはゆっくり休んでいただいて。その間、仕事や家事をしましょ。
5. グルテン膜チェック
ボウルの蓋を開け、生地の一部を両手で引っ張り、グルテン膜ができているかチェック。
引っ張っるとすぐにブチっと切れてる場合は、さらに30分寝かせて再度グルテン膜チェックをしましょう。
6. 寝かせる(8〜12時間)
グルテン膜ができたら、ストレッチ(上下左右をやさしく持ち上げ折りたたむ)を1回入れる。
ボウルに蓋をして、生地が1.5〜2倍くらいになるまで寝かせる。
春夏の気温が高い時期は、3〜5時間は室温で置き、冷蔵庫へ。
秋冬は発酵の進みが遅いので室温でOK。過発酵が心配な場合は冷蔵庫へ。
その日の気温や酵母が元気かどうかによって発酵時間は変わってきます。過発酵になるとパンが膨らまないので、室温で放置しすぎないようにだけ注意してください。
2日目:成形から焼成まで
2日目は発酵した生地の形を整え、焼いて、完成!という流れです。
7. 発酵確認(フィンガーテスト)
冷蔵庫(室温)で寝かせておいた生地が1.5〜2倍くらいまで膨らんでいたら、フィンガーテストをする。
人差し指を水で濡らすか、指に粉をつけて、生地に刺す。
穴がゆっくり塞がるようならちょうど良い発酵タイミング。
穴が出来てもすぐ消える(生地の反発が強い)場合は発酵が足りないので30分室温で寝かせましょう。
穴が戻らない(または萎んだように見える)場合は、過発酵かも・・。なるべく早くオーブンに入れたい状態。
発酵の見極めは大事なポイント。発酵不足の場合は焦らずゆっくりやりましょう。過発酵になってしまった場合はこの先の工程をササっとやりましょう。
8. 成形
パンの形を作って最終発酵させるための容器を準備。
バヌトン(発酵かご)の場合は、完全に乾燥していることを確認。(洗ったばかりで湿っていると生地がくっついてしまいます。)
ボウルで代用する場合は、ボウルの中に布巾を敷いて打粉を軽く振る。(オーブンシートの場合は打粉不要。)
パン捏ね台に打粉(米粉・強力粉・セモリナ)をし、その上にボウルから生地を落として直径25cmくらいに広げる。
生地の上下を真ん中に向かってたたみ、左右も真ん中に向かって畳む。継目が下に来るように生地をひっくり返して、円形になるよう、生地を回す。
丸くなった生地の表面に打粉をして、全体に打粉が行き渡るようやさしく撫でる。
生地を下から持ち上げて、生地の継ぎ目が上になるようひっくり返してバヌトン(ボウル)に入れる。
9. 最終発酵(2〜4時間)
生地を入れたバヌトン(ボウル)に蓋をして、室温で2〜4時間置く。
成形した生地が1.5倍くらいになればOK。
10. 焼成(40分)
蓋つきの耐熱鍋をオーブンに入れ、250℃で10分以上予熱する。
バヌトンから生地を出して、生地の表面にナイフでクープ(切れ目)を入れる。
クープを入れることで生地が膨らみやすくなります。クープの入れ方で完成形も異なるので色々試してみるのも楽しいですよ!
予熱をした耐熱鍋に生地を入れ(火傷に注意!)、蓋をしてオーブンに入れる。
230℃で30分。一度オーブンから出し、蓋を取って、更に10〜15分自分の好みになるまで焼き上げたら完成!
オーブンの温度・焼成時間は、各家庭によって異なります。何度か試してベストな温度や焼成時間を見つけてくださいね!
失敗しないポイント
サワードウ・ブレットの作り方、なんとなくご理解いただけたでしょうか?
最後に失敗しないポイントをまとめたいと思います。
- 元気な酵母を使う
→自家製天然酵母はサワードウの命。元気がない酵母だと失敗しちゃいます。
これから酵母を作る方は元気な酵母の作り方、継ぎ足しも参考にしてください。 - 気温・天気を把握する
→パン生地も生き物なので、気温や湿度に敏感に反応します。
気温25℃を超える日は、過発酵に注意しましょう。
逆に気温が10℃以下の日はのんびりと発酵を待ちましょう。 - 時間管理
→サワードウは「混ぜたら放置」ができるパンなので、つい存在を忘れがちに。笑
過発酵になると失敗(膨らまない)の確率が高くなるので時間管理を忘れずに。 - 愛情を持って観察、生地を扱う
→お料理と一緒ですね。食材を知り丁寧にあつかえば美味しいものができます。
パン仲間と私は天然酵母を”My baby”と呼ぶほど愛してます。笑
よくある質問(Q&A)
耐熱鍋がなくてもサワードウ焼ける?
焼けます!天板にオーブンシートを敷いて、成形した生地を載せ、オーブンに入れる直前に、生地全体にスプレー(霧吹き)で水をかけてください。オーブン内にもスプレーしておくと尚良し!です。熱いので気をつけて。
耐熱鍋を使って蓋をするのは、生地の中の蒸気が逃げないようにするため。蒸気があるために、外側のクラストはカリッカリに、中はしっとりのサワードウが焼けるのです。
サワードウを作るのにベストなスケジュールは?
朝型の方、夜型の方、時間管理が苦手という方もいるかと思います。参考までにザックリとしたスケジュールを載せておきます。
<朝型さん>
1日目: 8時頃から作り始める。
2日目: 6時に発酵チェック→成形→最終発酵→8時頃焼成。
<夜型さん>
1日目:22時頃から作り始める。
2日目:18時に発酵チェック→成形→最終発酵→22時頃焼成。
<昼型さん>
1日目:11時頃から始める。
2日目:9時頃に発酵チェック→成形→最終発酵→11時頃焼成。
このスケジュールは秋冬の場合です。夏の場合は発酵時間が短いので、開始時間が3〜5時間くらい遅くなる、またはオーブンに入れる時間が早くなります。
私はだいたい午前中に仕込んで、一晩冷蔵庫で寝かせて、翌朝(昼)に焼く。というスケジュールが多いです。
ちゃんと発酵したのに焼いたら膨らまなかった。原因は?
たぶん過発酵だったのかと・・。過発酵になると生地の張りがなくなり、膨らむ力が弱くなってしまいます。次回は、過発酵にならないよう時間管理に気をつけてみてください。
過発酵を避けるには?
発酵を遅らせるために、冷蔵庫に入れる。急な外出や、忙しくて時間管理を忘れそうな日は冷蔵庫がライフセーバーに。発酵が遅くて失敗することはないけど、発酵が進みすぎると失敗の確率も上がるので。
強力粉は何がオススメ?
これまで、イーグル、ゴールデンヨット、カメリヤ、春よ恋、九州産強力粉、北海道強力粉、Whole Foods Organic Bread Flourを使ってきました。
個人的にサワードウに合うなと思ったのは、イーグルとWhole Foods。柔らかめのサワードウが良い方は、国産小麦(春よ恋など)が良いと思います。
「ノマドパン」を始めた頃は、輸入小麦は「危険」だという「情報」を目にしたので国産小麦ばかり使っていました。ただ、その「情報」を「否定する情報」もたくさんあり・・。
国産・輸入の両方を使って50個くらいサワードウを焼いた頃、「サワードウとしての仕上がり(風味や食感)は、国産小麦よりも輸入小麦の方が好きだな」という結論に至りました。
それ以来、ハード系のパンは輸入小麦、ソフト系は国産小麦を主に使っています。
その他、サワードウに関する質問があれば、この記事のコメント欄にお願いします。分かる範囲でお答えします😊
「ノマドパン」シリーズ
5年間世界を放浪したデジタルノマドが、コロナ禍の自粛期間中に始めた「ノマドパン」🍞 の過去記事はこちらからご覧いただけます。
Happy Baking!
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