こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。
ミャンマー国軍のクーデター。日本に住む多くの人たちにとっては「怖いことが起きてるね。(でも私たちには関係無いよね。)」という感じで、ひとつの”ニュース”として消化され、10秒後には忘れ去られる。私自身もそうだけど、行ったことがない「よく知らない国」で起こっていることというのは、色んな面で、想像がしづらい。
そこで、少しでも「ミャンマー」という国に関心を持ってもらえたらと思い、2019年春にミャンマーをひとり旅した時のことを旅エッセイ的に綴ることにしました。少しずつ更新していくので、のんびり読んでもらえたら嬉しいです。

今日は、ミャンマーで最も訪れてみたかった場所「ゴールデンロック(チャイティーヨー・パゴダ)」に行った話。旅のTips(行き方、ホテルなど)は最後に。
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2. タイからミャンマーに徒歩で入国(後編)【ミャンマーひとり旅】
3. はじめてのミャンマー!バスとSIMと両替とおじさん【ミャンマーひとり旅】
4. ミャワディーからキンプンまでのバス旅【ミャンマーひとり旅】
晴れた!良い予感がする!
タイのミャワディーからミャンマーのキンプンまで移動続きだったミャンマー初日の夜は、朝まで一度も目を覚ますことなく、ぐっすりと眠った。
朝7時。カーテンを開けて外を見ると、晴れている!!
この時「今日は良い1日になる」と確信した。
ミャンマーに行こうかな?と思った2週間前のあの日から、毎日キンプンの天気予報をチェックしていた。ゴールデンロックを訪れるにあたり、天気はとても重要だから。
しかし、天気予報を何度見ても、この日の予報は「雨」または「曇りのち雨」。傘のマークが消えることはなかった。
だから雲の間から太陽がうっすら見える「曇り」も、私にとっては「晴れ」。
「ここでも晴れ女、発揮!」と、自分を奮い立たせながら、朝食を食べに向かった。
ホテルの朝食は朝から盛り沢山だった。トースト、クレープ、バナナ、マンゴー、ジュース、スクランブルエッグ、チーズ、コーヒー。バナナは5本も綺麗にお皿に並べられている。バナナ以外の、残したらおそらく廃棄されてしまうであろうものから食べた。
朝食を終えると、青空が見えていた。

本当に晴れた!天気が良いうちにゴールデンロックに辿り着きたい。
早々とホテルを出てチャイティーヨー・パゴダ行きのトラック乗り場に向かうことにした。
朝のチャイティーヨーの街は静かだった。
店を開ける準備をしている人、掃除をしている人、学校に向かうような子供と僧侶のグループ。現地の人が朝食を食べに集まるような食堂ですら、どこか穏やかで、のんびりとした雰囲気だった。
ところがトラック乗り場に着くと、状況が一変した。
チャイティーヨー・パゴダに行きたい家族が我先にとトラックに乗り込んでいる。トラック乗り場の人は乗客に向かって何かを叫んでいる。
その状況を理解できずに、周りの人達が次々にトラックに乗り込む姿をただ眺めている姿は、東京のラッシュアワーに困惑する外国人観光客そのものだった。
ミャンマー人家族たちは2つ隣のトラック乗り場に向かって走り出す。集団の中の「異物」である私は、「ここにいたら置いていかれそうだ」と思い、みんなについて行くことにした。
トラック乗り場は地上より2メートルくらい高くなっている。
人を押しのけて階段を登ろうとするミャンマー人家族の群れに少し圧倒された。家族は次々にトラックに乗り込んでいく。その勢いに合わせて私も乗り込んだ。

前方はぎゅうぎゅうなのに、私が座った列には誰も座らない(笑)外国人あるあるだ(笑)
あとから来た家族が、「ここに座れ」とトラック乗り場のスタッフに指示されたようで私の方をチラッと見て動きを止めた。私が軽く微笑むと、小さな子供を3人連れた夫婦もこちらに会釈して、私の隣に座った。
トラックはすぐに満席になった。
帽子やフルーツを抱えた女性がトラックの周りを歩き回り、乗客に買ってもらおうと下から見上げて必死に声を張っている。
数人がフルーツを購入した後、トラックは走り出した。
写真や動画を撮ろうと思って手に持っていたGoProとiPhoneを見た隣の家族のお母さんが「飛ばされないように気をつけて」「しっかり捕まって」と身振り手振りで教えてくれた。
すると前方にいた人たちも「バッグにしまったほうがいい」と忠告してくれた。
事前情報として「このトラックはジェットコースターのようだ」と聞いていたので覚悟はしていたけれど、本当に40分間ジェットコースターに乗っているかのようだった。笑
大きな山を越える時、車体が一瞬浮く。その時大人も子供も「キャハハ」と笑って、私も笑って、いつの間にか不思議な一体感のようなものが生まれていた。
アップダウンの激しい山道を1台のトラックで走ることは、運命を共にするようなものだからだろうか。例え40分とはいえ。
幾度となく振り落とされるんじゃないかと思うような大きなカーブを曲がり、何度も胃がふわっと浮く感覚を味わった。そのうち笑う人も少なくなった。
「聖地」への道のりは楽じゃない。
けれど、大きなカーブがある度に振り返って「大丈夫?」と確かめてくれる優しいミャンマー人達のおかげで、全く怖いとは思わなかった。
無事に頂上まで着き、トラックを降りると左腕だけが赤くなっていた。
混沌としたトラック乗り場から、頂上に辿り着くまでの間はとにかく必死だったので、日焼け止めを塗るのを忘れていたのだ。屋根付きトラックだし大丈夫だろうと油断していたせいでもあるけれど。
この先の旅で思い知ることになる。
ミャンマーの日差しは、これまで行ったどの国よりも強かった。
ゴールデンロックと青い空
私がミャンマーに行きたいと思った1番の理由が「ゴールデンロック(チャイティーヨー・パゴダ)を間近で見ること」だった。いつか写真で見た、落ちそうで落ちない不思議な黄金に輝く不思議な岩。
信仰深い仏教徒のミャンマー人にとって、チャイティーヨー・パゴダはミャンマーの3大巡礼地のひとつとして知られており、多くの人が家族総出で訪れる。
チャイトーの乗合タクシー乗り場で、高齢の僧侶が「なぜチャイティーヨー・パゴダに行くのか」と私に尋ねたあと、がっかりしたような表情を見せたのも頷ける。ミャンマー人にとっては、とても神聖な場所なのだから。
参道のようなところを通り、外国人観光客はエントリーフィー(入場料?拝観料?)を払う。対応してくれた男性はとてもフレンドリーだった。黄色いリボンがついた日付入りの首から下げる紙タグをもらい、先へと進む。
チャイティーヨー・パゴダは土足禁止。仏塔なので服装の規定もある。入り口には警備員がいて、ハーフパンツを履いた外国人や肩を出している女性は止められる。
靴生活に慣れすぎた私にとって、太陽で熱せられた地面を裸足で歩くことは簡単ではなかった。少しでも熱くない場所を探しながら小走りし、時に踊るように歩いた。うしろから見たら、あまり近づきたくない感じだ。
途中、見晴らし台のようなところがあったので覗いてみると、遠くの方に、あのゴールデンロックが見えた。
あれだ!
山の中にポツンと浮かぶように見えるゴールデンロック。

思ってたより小さいけど、きっとあれだ!
その瞬間、足の裏が熱いことなんか忘れてとにかく前へ進んだ。
そして。ついに。あの、ゴールデンロックの目の前に来た。
本当に黄金に輝いている。
青い空と白い雲、緑の木々の中で輝くゴールデンロックがそこにあった。
7.3mもある巨大なこの花崗岩は、巡礼者らによって貼られた金箔で覆われている。
残念ながら女性はゴールデンロックに触ることは許されていないけど、男性であれば観光客でも貼ることができるらしい。
女性が近づけるギリギリのところから、青空に輝くゴールデンロックを、しばらくの間見つめた。
そして岩の下にいる僧侶の祈り、巡礼者が金箔を貼る様子を眺めていた。
時折ひらひらと空を舞う金箔が、どこか神秘的で、美しかった。
客観的事実で見れば「大きな岩に金箔が貼ってあるだけ」かもしれない。だけどこのゴールデンロックにはたくさんの人の想いや祈りがある。こうやってここまで金箔を貼りに来ている人達がいるんだなと思うと、ただの「落ちそうで落ちない岩」ではないと感じた。
その場にいる人たちの表情やエネルギー、風に揺れる鈴の音や空気の匂い、時間のリズム。
写真だけでは分からないものが、そこにはたくさんあった。
つづく。
ゴールデンロックへの行き方と料金
ヤンゴンからゴールデンロックまで
日本から行く場合、ヤンゴンから来るのが一般的かと思う。
ヤンゴンからはバスで片道5時間、料金は6,000チャットほど。ヤンゴンから日帰りで来る観光客も多いし、ヤンゴン発のツアーも出ている。
チャイティーヨー・パゴダまでのトラック
ヤンゴンから来る場合も、他の町から来る場合も、ゴールデンロックのある麓の町、チャイティーヨーまで来て、そこから乗合のトラックに乗って頂上へ行く。
乗合トラックは1人2,500チャット。(私が行った時はなぜか2,000チャットだった)頂上までの所要時間は40分ほど。運転が荒く道もアップダウンが激しいので注意。途中、検問所を通ったり、料金を支払ったり、寄付を募ったりするので何度か停車する。
チャイティーヨーまでのケーブルカー
乗合トラックで、Ya Thaeという場所についたら、そこからケーブルカーで頂上まで行くことも可能。ケーブルカーの料金は$5。乗車時間は10分程度なので景色を楽しみたい人には良いオプションかも。
チャイティーヨーまで徒歩で行く場合
キンプンまたはチャイティーヨーから徒歩で頂上まで行くこともできる。道はシンプルなので迷うことはないと思うけど、片道5時間かかる上、アップダウンもあるため、よほど体力に自信がある人、時間に余裕のある人以外はオススメしません。
チャイティーヨー・パゴダのEntry Fee
外国人は入場料?拝観料?となるエントリーフィーを払う。料金は6,000チャット。小さな事務所のようなところで記名して料金を払うと、首から下げるタイプの紙でできたパスをもらうので、無くさないように注意。
ゴールデンロックへ行く時の服装、持参すると便利なもの
ゴールデンロックでの服装
ゴールデンロック(チャイティーヨー・パゴダ)は仏教徒の神聖な場所であることをお忘れなく。男性も女性も膝や肩が出るような服装はNGです。どんなに暑い日でも長めのスカートやロングパンツ、上はシャツやカーディガンなど肌の露出が少ない格好を心がけましょう。
ロングとショートを切り替えられるこういうパンツも便利かと。もしくは現地でロンジー(ミャンマーの民族衣装)を買うか。自分へのお土産にもなるので。
土足禁止なので、裸足で歩き回ることになります。なので、オススメはサンダル。脱ぎ履きしやすいし、足裏が汚れてもウェットティッシュで拭いて履いて帰ればそこまで気持ち悪くないかと。
ゴールデンロックに行く時にあると便利なもの
絶対忘れないで欲しいのが、水。頂上でも買えるけど、ミャンマーは暑いので常に水を携帯しておいた方が安心です。
あとは日差しが強いので日焼け止め、ウェットティッシュ(手や足を拭くため)、脱いだ靴やサンダルを入れる袋はマスト。これがないと手で靴を持って歩き回ることになります。
熱中症や日焼けが心配な人は帽子や頭を覆う布もあったほうがいいかも。もちろん現地でも買えます。
ゴールデンロック周辺のオススメのホテル
- Golden Sunrise Hotel
私が泊まったホテル。1泊¥4,500で朝食付き。部屋も広いし各部屋(独立型の建物)の前には小さなテラスがあってお庭を見渡せるのでのんびりできます。難点としてはWi-Fiがロビーでしか使えないこと。しかもかなり弱くてほとんど使えなかったことくらい。SIMカードがあれば問題なし。 - Kyaik Hto Hotel – The Golden Rock Pagoda
ゴールデンロックへ徒歩でアクセスできる唯一のホテル。1泊¥10,000。ゴールデンロックの朝、夜の写真を撮りたかったので第一候補だったけど、問い合わせのメールを送っても返信がなかったのでやめました。ロケーションは最高だけど、サービスは不明。
その他、Agodaにもいくつか出ているので見てみてください。
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2. タイからミャンマーに徒歩で入国(後編)【ミャンマーひとり旅】
3. はじめてのミャンマー!バスとSIMと両替とおじさん【ミャンマーひとり旅】
4. ミャワディーからキンプンまでのバス旅【ミャンマーひとり旅】
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