こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。
11月30日から12月6日までの6日間、「紀伊半島 NEW ReLATIONプログラム」ツアーに参加してきました。
前半の3日間は奈良県東吉野村、後半の3日間は和歌山県のみなべ町を訪れ、「地域との関係創出」を体験し、考える、というもの。
今回の「紀伊半島 NEW ReLATIONプログラム」は、面白法人カヤックさんが運営する、移住スカウトサービスの『SMOUT(スマウト)』が、企画・運営をされているのですが。
このツアーが本当に楽しすぎた!そして東吉野村も、みなべ町も、訪れてみたからこそ分かる魅力が満載で、1人でも多くの方に知ってほしい!!
と思ったので、6回に分けて、「紀伊半島 NEW ReLATIONプログラム」ツアーで私が体験したこと、感じたことなどシェアしていきたいと思います。
まずは、奈良県にある東吉野村。
東吉野村ってどんなところ?
奈良県の真ん中より少し東側に位置する東吉野村は、山に囲まれた自然豊かな村。
東吉野村の面積は約132平方キロメートルで、なんとその96%が森林!という、まさに「森の中にある村」。
たくさんの立派な吉野杉・檜に囲まれているので、東吉野村の空気はとても澄んでいてキレイ。
村には3つの清流が流れており、川の水は、もはや神秘的とも言えるほどの透明度!
そんな東吉野村には、現在およそ1,600人の人々が暮らしています。(令和5年4月現在)
奈良市内からは車で約1時間半、大阪からだと約2時間。
電車の場合は、近鉄大阪線「榛原駅」まで行き、奈良交通バス「東吉野村役場行き」に乗り約45分で東吉野村に辿り着けます。
そう。普段、都心部で暮らしている人にとっては、東吉野村までの道のりは「なかなかの冒険」なのです。
「アクセスが良い」とは言えない東吉野村ですが、近年、移住者が増えつつあるらしいのです。
その秘密を探るべく、東吉野村に移住された方々に、東吉野村のこと、東吉野での暮らしについてたくさんお話を聞かせていただきました。
その中で気づいたのが
なんか「自分のやりたいこと」に向き合っているクリエイターが多いような?そして「東吉野」という場所から、なんらかのインスピレーションを受けて物創りをされているように見える。
ということ。
東吉野村「おく山ハウス」でのお話し・陶芸体験
東吉野村に着いて、最初にお会いしたのが「おく山ハウス」の栗岡ゆふこさん。
2019年にカリフォルニア州のバークリーから、東吉野村に移住。陶芸家のフランシスさんと共に「おく山ハウス」で暮らしながら、お二人の「やりたいこと」を実現するため、日々活動されています。
周りの協力を得ながら、DIYでリノベーションしたという古民家、そして陶芸スタジオは、手作り感や木の温かみを感じながらも、センスの良い、とても居心地の良い空間。
東吉野村に到着してまだ20分も経っていない、ほぼ全員初対面同士の私たち9人を、栗岡さんと「おく山ハウス」は、温かく迎え入れてくださいました。
はじめに。栗岡さんが東吉野村に移住された理由、今後「おく山ハウス」でやっていきたいことをお話ししてくださり、その後で、私たちに向けての「問い」がありました。
「移住についての想いや、こんな暮らしがしたい、など、どんなことでも良いので、みなさんが今感じていることを聞かせてください」と。
自分の言葉で、自分の想いや、思い描いている「生き方」「暮らし方」を語ることの大切さ、難しさを実感しました。
そして、日本各地から参加している9人が、それぞれの「想い」をシェアすると、2時間前まで「全くの他人同士」だった9人の間に、「和」のようなものが生まれたと感じました。
栗岡さんマジック!
お話がひと段落すると、フランシスさんが東吉野村に来てから制作したという湯呑みに、栗岡さんがお茶を淹れてくださいました。
この湯呑み。見ての通り、ひとつひとつ、形も大きさも違うのですが。
各自が選んだものが、不思議とその手にフィットするのです。
最初は「私だけかな?」と思っていたのですが、他の参加者さんが「これ、すごいしっくりくるー」「私も。手放したくない。笑」と言い出したのです。
陶芸家のフランシスさんの手と、私たち9人の手の形や大きさは全く違うのに。不思議。
翌日は、フランシスさんの工房で「陶芸体験」をさせていただきました。
東吉野に移住された方3名と、地域おこし協力隊として活動されている方と一緒に、各自が好きなものを創ります。
最初にフランシスさんのデモンストレーションがあり、その後は自由に粘土と触れ合いました。
私は、前日の「湯呑みが自分の手にフィットしたことに感動した体験」を元に、両手で持てるマグを作ろうと思いました。
「冬は指先が冷えるので、指先も温まるマグにしたい」と思いながら粘土を触っていたら、上から見るとハート型のマグになりました。
自分の手で作っているので、当然、しっくりくるし、ちょうど良いサイズ感。
もちろん、焼成したらサイズも変わるのだろうし、飲みやすさを考えずに作ったから実用的ではないのだろうけど。
それでも「自分の思いのままを形にする」って、すごく楽しい!と感じました。
そして、みなさんの作った作品と、それぞれの想いを聞けたことも、とても興味深く、良い体験となりました。
2023年の時点でも、じゅうぶんにステキな「おく山ハウス」ですが、「これはまだやりたいことの10%くらいなんです」と栗岡さん。
来年、再来年と、どうなっていくのか、今からとても楽しみな「おく山ハウス」。
興味のある方は、ぜひ「おく山ハウス」のInstagramをチェックしてみてくださいね。
私も「おく山ハウス」を再訪したいと思っています!
東吉野村のクリエイターさんたち
東吉野村には、たくさんのクリエイターさんたちが移住してきているそうなのですが。
ここでは、3日間という限られた時間の中で、お会することができたクリエイターさんたちをご紹介します。
せせらぎクラフト(カヌー製造工房)
2020年に東吉野村に移住したお二人の工房。
木製のカヌーを手作りされているという工房、そしてご自宅の中を見学させていただきました。
お家のエントランスには立派なカヌーが・・・!
カヌーの制作には1ヶ月ほどかかるそう。
完成品の木製カヌーを納品する際は、2階の窓からカヌーを下ろして、車の上に乗せてお届けするのだとか。すごい!
「冬はコーティング剤が乾きにくいので、カヌー制作には向かない」など、チャレンジもあるようですが、古民家のご自宅をDIYで改装されていたり、木材で洗面台を作ったりと「なんでもできてしまう」せせらぎクラフトさん。
猫ちゃんもかわいかった♡
The Good Wolf Brewery(クラフトビール)
週末のみオープンしているクラフトビール屋さん。
山好きの店主が「東吉野村でビールを作りたい」と思い、ブリュワリーを開いたそう。
こんなに水が綺麗で、山に囲まれている東吉野で作るクラフトビールは、美味しいに決まっている!
と思い、急遽閉店間際にお邪魔させていただき、お土産として購入することに。
この日は9種類のビールがタップにつながっており、お土産用の瓶ビールも8種類ありました。
初めて訪れた私たちに、各ビールの特徴を説明してくださったのですが。
どれも東吉野や奈良にちなんだもので、迷う。
説明を聞けば聞くほど、迷う。
全部飲んでみたくなる。
「この栗は、裏で2人で一生懸命、手で剥いて、焼いて・・」なんて聞いてしまったら
もう、その栗のビールは絶対買います!
と心の中で叫んでいました。笑
そして最終的に選んだのはこちら。
左から「吉野杉のペールエール」「大和茶のインディアン・エール 」「焼栗のダークエール」です。
「焼栗のダークエール」のラベルは、東吉野村在住の漫画家さんに描いてもらったものだそう。
本当は全種類買いたかったけど、この先もツアーは続くので、3本で我慢。
クラフトビール好きの友人と一緒にいただくのが、とても楽しみです!
Good Wolfさんのビールはオンラインでも購入できるので、クラフトビール好きの方は、是非チェックしてみてくださいね!
nuyak(鞄と陶)
東吉野村で人気のお蕎麦屋さん「よしの庵」のお隣にある、古今雑貨と珈琲のお店「空木-utsugi-」さん。
とてもステキなお店構えの「空木さん」で、ちょうど東吉野在住の「nuyak(ヌヤク)」さんの展示・販売が行われていました。
作家であるご夫婦も在廊されていて、鞄を制作している長﨑大地さんにお話を伺うことができました。
その中で、印象的だったお話が2つあります。
ひとつ目は、ご夫婦の共同作品だという「モモンガの鞄」。
写真だと分かりにくいかもしれませんが、左上に奥様の陶芸作品のモモンガちゃんがいるのが見えますか?
この作品は、ご自宅付近で見かけたモモンガから発想を得て作られたそう。
「ある朝、玄関のドアを開けたら、家の前にモモンガがいて・・」とサラッとお話されるので、とても驚きました。
「モモンガに会う」なんて夢の中の話だと思ってた・・!
ご夫婦にとっては「身近な動物」である、モモンガからインスピレーションを得て作られた共同作品、とてもステキだなと思いました。
そして、もうひとつは「もう売れてしまったのでここにはないのですが、猟師さんから頂いた鹿の皮を使って鞄を作りました。」というお話。
東吉野では、ジビエとして「鹿肉や猪のお肉をよくいただく」とは聞いていたのですが。
鹿の皮も「塩漬けにした後、鞄にする」と聞き、「命をいただくこと」について改めて考えさせられました。
いただいた命を、余すことなく使う、ということ。
作家さんが創った作品が、人の手に渡り、その鞄はきっと色んな景色を見ていくんだろうな、とか。
普段、モノを購入するとき、使うとき、自分はどこまで考えられているだろう、と。
nuyakさんの作品も、オンラインで購入することもできますので、見てみてくださいね。
ニホンオオカミ・グッズ
最後に。東吉野村は「ニホンオオカミ」が最後に発見された場所としても知られており、ニホンオオカミが村のアイコンにもなっています。
「空木」さんでも、ニホンオオカミのグッズが販売されているので、東吉野村のお土産を探している方、オオカミ好きの方は、ぜひ「空木」さんに行ってみてくださいね!
クリエイターが自然と共存して暮らせる東吉野村
東吉野村、オモシロそうなところだと思いませんか?
私にとっては初めての東吉野村、それもたった3日間の滞在でしたが、こんなにもユニークでステキなクリエイターさんたちとお会いすることができるとは!
そして、みなさん「移住者」というのも、すごいな、と。
東吉野村には、クリエイターが移住しやすい理由があるのです。
次の記事では、東吉野村の自然の魅力、コミュニティ、移住情報についてお伝えします。
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