【和歌山県みなべ町】世界農業遺産の「梅システム」体験レポート

みなべ町「梅システム」の体験・お手伝い Japan
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こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。

11月30日から6日間から、「紀伊半島 NEW ReLATIONプログラム」ツアーに参加してきました。

奈良県東吉野村での体験・学びに続き、今回は和歌山県のみなべ町で学んだこと、感じたことをレポートします。

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和歌山県みなべ町ってどんなところ?

和歌山県みなべ町(c)Megumi Mitani

和歌山県の海沿いにある「みなべ町」は、冬でも比較的温暖な気候で、海、山、川がある、自然豊かで美しい町。

みなべ町は、梅の生産量が日本一で、最高級品種とされる梅「南高梅」の発祥の地としても知られています。

また、世界からも高い評価を得ている「紀州備長炭」、そしてその原料となる「ウバメガシ」の産地でもあります。

人口は約12,000人(2023年9月現在)で、梅の花が咲く2〜3月には、イベントも開催され、多くの観光客が訪れるそう。

夏には、アカウミガメが産卵に訪れるほど静かなビーチもあります。

和歌山県みなべ町へのアクセスは、東京・羽田空港から南紀白浜空港まで約1時間、空港から車で30分。大阪方面からだと、車または電車で約2時間。

海も山も川もある、自然好きにとっては最高の町!「南高梅」や「紀州備長炭」という世界に誇れる産業があるからなのか、「みなべ町」で暮らす人は、明るくて元気な人が多い!

世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」

南高梅誕生の地「みなべ町」(c)Megumi Mitani

旅好きのみなさんは「世界遺産」をよくご存知だと思いますが、「世界農業遺産」というものが存在することを知っていますか?

私は、今回みなべ町に行くまで知りませんでした。

「世界農業遺産」は、何世代にもわたり継承されてきた伝統的な農林水産業を営む地域に、国際連合食糧農業機関(FAO)により認定されるもので、世界で26ヶ国86地域が認定されています。

日本では15地域(令和5年12月現在)が「世界産業遺産」として認定されているのだとか。

そのうちのひとつが、「みなべ・田辺の梅システム」。

2015年に、400年前から受け継がれてきたサスティナブルな梅を中心とする農業システムが、「世界産業遺産」として認定されました。

「みなべ・田辺の梅システム」については、言葉で説明するより、この動画が分かりやすいので、ぜひ見てください。

みなべ「梅システム」のお手伝い体験レポート

みなべ町「梅システム」の体験・お手伝い

今回私たちは、みなべ町うめ課の木田さん、東京からみなべ町に住民票を移し「梅ワーケーション」を率いている島田由香さんのご案内のもと、3つの体験をさせていただきました。

ウバメガシのどんぐり拾いwith梅ボーイズ

梅ボーイズとウバメガシのどんぐり拾い

朝8時。

「梅農家が誇りを持てる梅干しを作りたい」と、梅干し屋さんを創業した「梅ボーイズ」の代表、山本将志郎さんと、東京から移住した梅ボーイズ・メンバーの梁さんと一緒に「ウバメガシのどんぐり拾い」をしました。

どんぐり拾い?梅とどう関係があるの?

と思いますよね。

梅ボーイズの梁さんによると

「みなべ町は、昔は紀州備長炭の生産量が日本一だったんですが、(備長炭の原料である)ウバメガシの木が減っていってしまったんですね。なので、どんどんウバメガシの木を植えて、増やしていこうと思っています。

山があることで、綺麗な水が生まれて、農作物が生産できます。農作物を生産する人間だからこそ、山を大切にしていきたいと思っています。

そのために、今日はウバメガシの子供である、どんぐりをみなさんに拾ってもらって、僕たちが2年かけて苗に育てて、それを山に植樹します。」

とのこと。

まさに「梅システム」で学んだとおり、山と産業が繋がっているんですね。

自分達の事業だけを考えるのではなく、山全体、町全体のことを考えて仕事をされているとは!素晴らしい!!

ウバメガシのどんぐり(c)Megumi Mitani

この日は、2時間弱で約2,000個のどんぐりを集めることができました。

その中から、虫食いがあるものなどを除いて、健康などんぐりを土に植えて苗木にするのだそうです。

ものすごく手間も時間もかかる地道な作業だと思いますが、山を守り、次の世代に繋いでいくためにも大事なお仕事ですよね。

添加物を使わず、塩だけ、塩と紫蘇だけで梅干しを作っている「梅ボーイズ」さんの商品は公式サイトAmazon楽天で購入できます。

みなべ町の「ふるさと納税返礼品」にもなっているので、応援したい方は、各ふるさと納税サイトで「梅ボーイズ」で検索してみてくださいね!

ウバメガシの植林@紀州備長炭振興館

紀州備長炭振興館(c)Megumi Mitani

10:30。紀州備長炭振興館にて、「みなべ川森林組合」の松本さんに、紀州備長炭、そしてウバメガシの苗木についてご説明いただきました。

その後、紀州備長炭の原材となるウバメガシの苗木が植えてある山へ。

みなべ町ウバメガシ植林(c)Megumi Mitani

写真だとわかりにくいかもしれませんが、これが結構な斜面!

ソロ登山もする私ですが、登山道のように道があるわけでもなく、土は柔らかく滑りやすいので、上の方までは辿り着けませんでした。苦笑

みなべ町ウバメガシ植林体験(c)Megumi Mitani

次に、先ほどの山より傾斜がゆるい山に移動して、ウバメガシの植樹をお手伝いしました。

少し前に植樹したものの、枯れてしまったり、うまく育たなかったものがあるので、その場所に元気な苗を植えるという作業。

地面を掘って、紙コップに入っている苗を植え、鹿などの動物に食べられないよう、ネットで覆います。

簡単そうに聞こえますが、斜面での作業を行うため、自分の上または下に人がいないことを確認しながら行います。斜面を移動する時も、気を抜けません。

こんな急斜面で、日々ウバメガシを植える作業・管理をしている方々は、本当にすごい・・!そして「山を作る」って大変!

ウバメガシは成長がゆっくりなため、他の木よりも育つのに時間がかかるのだとか。

一方で、根が強い木なので、一度しっかりと根が張れば、土砂崩れを防いでくれたり、頼れる木なのだそう。

紀州備長炭振興館には、資料館のほか、紀州備長炭の量り売りもしてくれるようなので、興味ある方は行ってみてくださいね。

梅畑の土づくり@たかだ果園

南高梅の母樹 樹齢128年@高田果園(c)Megumi Mitani

14:00。

南高梅の母樹(樹齢128年!)を保有する「たかだ果園」さんの梅園で、社長&スタッフのみなさんとランチ。

青空の下、お弁当と一緒に高田果園さんの、ジューシーで美味しい梅干しをいただきながら、梅や梅干しの作り方のお話、みなべ町のお話を伺いました。

ランチの後は、いよいよ梅農園さんのお手伝い。

たかだ果園さんでは、有機栽培(オーガニック)の梅干、減農薬栽培(特別栽培)の梅干、一般栽培の梅干しを作られています。

有機栽培梅のお手伝い@高田果園(c)Megumi Mitani

この日私たちがお手伝いしたのは、梅畑の土づくり。

有機栽培の梅畑に、「ヘアリーベッチ」というマメ科の種の蒔く、という作業。化学肥料の代わりになったり、土壌改良に役立つのだとか。

紫色の花が咲くそうです。

この種を、広ーい梅畑に少しずつ蒔くのです。

高田果園のみなさん(c)Megumi Mitani

たかだ果園の方々が、種蒔きのお手本を見せてくださった後、各自黄色いバケツを持って1列ずつ種を蒔いていきました。

梅畑に青いものが見えると思いますが、これは、梅を収穫するときに使うネット(網)だそう。

収穫の時期になると、青いネットを広げて、自然に木から落ちる梅をキャッチするためのもの。斜面になっているので、コロコロと転がっていくのだとか。すごい!

梅や農業の知識が全くない私にとって、梅栽培に関するすべてのお話しが新鮮で、とても勉強になりました!

たかだ果園さんの梅干しも、公式サイトから購入できます。
私もランチの時にいただきましたが、本当にジューシーですごく美味しいので、ギフトにもオススメ!です。

6月に梅収穫のお手伝いに行こう!

みなべ町梅農家さん・事業者さんとの懇親会

梅干しに限らず、野菜やお魚、お肉など、毎日「消費者」としては関わっているものの、「農業」や「第一次産業」とは無縁の人生を送ってきた私。

今回みなべ町を訪れ、現地で農業体験をし、みなべ町で働く方たちとの会話から、たくさんの気づきを与えていただきました。

滞在2日目の夜に、島田さん邸で、梅農家さん、梅事業者さん、和歌山県移住定住推進課のみなさんと総勢27名での懇親会が開かれたのですが。

みなさん本当に明るく楽しい方ばかりで、今回のツアーに参加したみんなすっかり和歌山県、そしてみなべ町のファンに。

「6月の梅収穫お手伝いに行こうね!」「うん、行こー!」「私も行きたいー!」という会話が、ツアー終了後にも続きました。

みなべ町でお世話になったみなさま、どうもありがとうございました!6月の梅収穫の時期にまた伺います!

この記事を読んで「私も梅収穫のお手伝い行きたい!」と思った方は、島田さんがやってらっしゃる「梅ワーケーション」をチェックしてみてくださいね!

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この記事を書いた人

自然と芸術を愛する旅人。世界各地で家を借りながら暮らす「デジタルノマド」9年目。40ヶ国。

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