「直感」に導かれた旅(2)ロサンゼルス【アメリカ】

直感に導かれた旅:ロサンゼルス(c)Megumi Mitani Column
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「目的」が同じということ以外、特に共通点も無い、他人同士の旅が決まってから2週間。

私はひとり、ロサンゼルスの空港に降り立った。

はじめてのロサンゼルスで土地勘もない私は、とりあえず空港近くの4つ星ブティックホテルを予約していた。

モダンでキレイそうだし、ホテルからの空港送迎サービスがある、という理由で。

しかし、その空港ピックアップ・サービスを使うことはなかった。

OCとして知られるオレンジカウンティ出身でLA在住の友人が、空港に迎えに来てくれることになった。

私があまりにも「ロサンゼルス」を知らなすぎる、と心配したのだろう。

というのも。日本を発つ前に、こんな会話をしていた。

東京の生活に慣れ親しんでいる私が「LA着いたら何するか?うーん、とりあえずこのレコードショップに行ってみようと思ってるよ。」と言うと、「レンタカー借りるの?」と聞かれた。

「いや、私運転できないし。笑 バスで行こうと思ってるよ!あとこのお店も。徒歩15分くらいだし。」と言うと、「バス!?歩く??ロサンゼルスで!??」と驚く友人。

LimeやBIRDみたいな乗り捨て電動スクーターはもちろん、UberやLyftのようなライドシシェアすらない、2012年のロサンゼルス。

車社会のロサンゼルスでは、観光客はレンタカーを借りるのが当たり前だった。

「ロサンゼルスは、東京とは違う。歩いてる人なんていないよ。それと、安全面や衛生面からバスはオススメしない。特にキミひとりでなんて危なすぎる。公共交通機関は、車を持たない低所得者しか利用しないから。。」と教えてくれた。

友人は「何時にLAXに着くの?迎えに行くから!」とわざわざ仕事を早退して、空港のロビーまで迎えに来てくれた。

5年前に一度、東京を案内しただけなのに、親切すぎる友人。

空港近くのホテルに立ち寄った後、「ロサンゼルス」を案内してくれた。

彼の言う通りだった。ショッピングモールや、オシャレなショップが並ぶエリア以外で歩いている人なんていない。

バス停でバスを待っている人たちは、どこか疲れているような、目的もなくただその場にいるだけのように見えた。

仕事終わりの友人の彼女と合流し3人でディナーを食べた後、ルーフトップバーに向かった。

オシャレなバーで金曜の夜を楽しむ「LA people」に混ざり、ロサンゼルスの夜景を眺めながらドリンク片手に談笑する。まるでリアリティー・ショーの中にいるみたいだった。

その後、サンタモニカ・ピアを散歩し、最後はホテルまで送ってもらった。

「旅人の勘」や「直感」を全く必要としない、安全で完璧な保護下でのロサンゼルス1日目が終わった。

日本人の私には大きすぎるカリフォルニア・キングのベッドの上で「なんてラッキーなんだろう。異国の地で、旅人モードを完全にオフにして、こんなにリラックスして楽しめるなんて。」と友人に感謝しながら眠りについた。

翌日からの1週間はあっという間に過ぎ去った。

日本から来たレーベルの友人たちと合流し、Warped Tourに参加した。LAを拠点に、Pomona、Ventura、Chula Vistaの3都市を周った。

直感に導かれた旅:Warped Tour(c)Megumi Mitani

都市間の移動は車で1〜2時間。運転が得意な友人は、ロサンゼルスのドライバーたちにも動じず、スムーズで安全な運転をしてくれた。

フェスでは、レーベル・パスを出してもらっていたので、基本的にはステージ脇からライヴを観る。

全米最大のパンク・ロック・フェスティバルと聞くと「どれだけやんちゃな子たちが集まるんだ?」と思うかもしれないけど、フェスに参加しているキッズたちはマナーのある子が多く、とてもフレンドリーだった。

それはバックステージでも同じ。バンド・メンバーやステージ周りのスタッフは、明らかに「アウトサイダー」な私たちに対しても、みんなフレンドリーで親切だった。

そんな感じで、LAに着いてからの1週間は、基本的にずっと「安全の輪」の中にいた。

そして、いよいよ明日から「未知の旅」が始まると思った時、「旅人モード」のスイッチが入った。

「そいえば、明日からグランドサークルを一緒に回る予定の人のフルネームを知らない。」

「明日の夕方、フラッグスタッフの空港に迎えに来てくれることになってるけど、本当に現れるんだろうか?」

「日本の携帯はアメリカでは使わない、と言ってたけど、アメリカの番号を知らない。どうやって空港で会うのだろう?」

「その人が空港に現れなかった場合、残りの1週間、アリゾナ州でどうやって過ごそう?」

「ロードトリップ中に喧嘩になって、道端に落とされた時のために、国際免許を持ってきたけど、砂漠のど真ん中で、どうやってレンタカーを借りるのか?そもそも運転できないのに??ヒッチハイク??」

と、あらゆる妄想を友人に打ち明けると、友人は「出た!メグの瞬間脳内シュミレーション!」と笑った。

彼女は何度も私と一緒に海外を旅しているので、私の「旅人モード」を理解していた。

直感に導かれた旅:Flagstaff(c)Megumi Mitani

そうだ。これまでも、いろんな国でトラブル回避、対応してきたんだった。

「旅人の勘」を使って。

まだ2回しか会ったことがない、フルネームさえも知らない相手との旅であっても、きっとどうにかなる。

どうにかならなくても、どうにかできるし、どうにかする。

そう思いながら、フラッグスタッフ行きの飛行機に乗った。

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この記事を書いた人

自然と芸術を愛する旅人。世界各地で家を借りながら暮らす「デジタルノマド」9年目。40ヶ国。

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