こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。
スリランカのホテル紹介が続いたので今日はスリランカ旅のエピソードを。
【スリランカひとり旅】シリーズの1本目で書いた通り、スリランカの初日はNegombo(ネゴンボ)という小さな海沿いの街に泊まった。
ベトナムのホーチミンから、マレーシアのクアラルンプールで乗り換え、スリランカのバンダラナイケ国際空港に着いたのは夜10時。
ATMで現金を引き出し、スリランカのSIMカードが私のiPhoneで使えるかを確認した。ベトナムでSIMロック解除した日本版ガラパゴスiPhoneは結局スリランカでも使ない。
空港内の弱〜いWifiでUberを呼び、空港を後にした。バンダラナイケ国際空港から20分の距離にあるネゴンボに向かう。
はじめてのスリランカにちょっとドキドキしながら車窓を覗くも、外は真っ暗。大通り沿いの外灯が時々見えるくらいだった。
Uberドライバーの片言英語を頑張って理解しながら会話を楽しんだり、矢継ぎ早に飛んでくる質問に真面目に答えてたら、いつの間にかドキドキもワクワクも消えていた。
道を間違えながらもなんとかホテルに到着。
「やっと来たか」と言わんばかりの眠そうなホテルのオーナーから部屋の鍵を受け取る。奥さんが起きてきて部屋に案内してくれた。
部屋のドアを閉め、ほっとひと息ついてiPhoneを見ると11時半を過ぎていた。
翌朝。ホテルで朝食を摂ったあと、ネゴンボの数少ない見所であるフィッシュマーケットまで散歩をすることにした。
「この道をずーっとまっすぐ歩けば20分くらいでフィッシュマーケットに着くわよ。」
そう言われたので、2,3分おきに声をかけてくるトゥクトゥク・ドライバーに「No, thanks」と言いながらひたすら歩き続けた。
7月のスリランカは暑い。小さなお店で水を買って、美しい教会、ヒンドゥー教の寺院、お寺を観ながらフィッシュマーケットを目指す。
15分くらい歩いたところでオレンジ色のココナッツやフルーツが並ぶ通りに着いた。
「マーケットにしては小さいような気もするし、魚も売ってなさそうだけど、ちょっと気になるから行ってみよう」とその通りを歩くことにした。
地元の人の視線を感じる。
旅をしていれば良くあることだ。手招きしてくる人、ただジーッとこちらを見るだけの人、笑顔を向けてくる人。
観光客は明らかに私だけだった。
マーケットらしい場所は閑散としていて、何も行われていなかった。人も少なかったし、なんとなく大通りに戻った方が良い気がした。その時「Hello」とひとりのおばあさんが声をかけてきた。
「Hello, how are you?」と返すと「Japan? China?」と聞かれた。
「Japan」と言うと笑顔になって「ちょっと家の中を見ていきなさい」と言う。
いやいや、いきなり、怖いし。と思い、おばあさんは家の中、私は外にいたまま話していた。
彼女は未亡人で子供達も家を出ていって、今はひとりで暮らしているという。
私が左手に持っていたカメラを指差して、「1枚写真を撮って」と言われた。
あら?これって「写真撮らせてあげたからチップちょうだい」っていうパターン?と一瞬頭を過ぎるも、おばあさんの人懐っこさに1枚撮った。
撮った写真を見せると嬉しそうに笑ってくれた。
そして「私のハズバンドとベイビーを見せたいからこっちに来て。入って。」と家の中に招かれた。
外から家の中を覗くと、ベッドがひとつ置いてあった。その横に写真が飾ってあり、奥にキッチンがあるような小さな家だった。
ドアも開いてるし、万が一何かあってもすぐ出られるからとお邪魔することにした。
壁にかけてある写真を手に取りながら「これが私の愛する人。旦那さん。」「それからこっちが私のベイビー。かわいいでしょう?」
私の目を見つつも、写真に話しかけるように微笑んでいるおばあさんを見て少しセツナくなった。
「素敵な写真を見せてくれてありがとう。身体に気をつけてね。」とお礼を言ってサヨナラした。
もちろんチップなんて要求されなかった。
おばあさんはただ誰かと話したかっただけなんだ。
一瞬でもおばあさんを疑ってしまった自分と、自分の中の「ひとり旅の掟」の間で揺れた。
つづく。
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