【スリランカひとり旅】「お茶して行きなよ」おばさん

(c)Megumi Mitani Sri Lanka
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こんにちは!フルタイムトラベラー、三谷めぐみ (@meg_intheworld)です。

前回のネボンゴ街歩きのつづき。

フィッシュマーケットに向かおう、と思って海の方へ歩き始めた時だった。

今度は40代くらいのおばさんが声をかけてきた。

「どこに行くの?暑いからお茶でもしていけば?」

「ありがとう。でもお茶している時間はないんです。お昼過ぎにはバスターミナルからバスに乗ろうと思っているので。」

「1分よ。1分。今、娘と弟がいるけど寄って行って!コーヒー?紅茶?」

すると弟らしい人は「僕はもう帰るとこだからどうぞ」と笑顔を見せて家から出ていった。

おばあさんの事を疑ってしまった自分もいたし、スリランカ人の家の中を見てみたいという気持ちもあったので「じゃあ本当に1分だけ。」と言ってお邪魔した。

(c)Megumi Mitani

家の中には13歳くらいの娘がいた。水槽があって金魚がいた。

おばさんが「ここに座って」と言ってプラスチック製の椅子を差し出した。

お湯が沸く間、これまで色んな国の人がこの家でお茶していったこと、中国人とドイツ人の『友達』がお金やアクセサリーを郵便で送ってくれたこと、イスラム教徒であること、目の手術が必要なこと、娘を学校にいかせられないことを聞いた。

あぁ。これは完全にお金ちょうだいっていうやつだ。と思った時には紅茶が運ばれてきた。

(c)Megumi Mitani

インスタントの味がする紅茶を飲みながら「さて。いくら置いていけば良いんだろうか?」と考え始めた。

おばさんはダイレクトに「お金ちょうだい」とは決して言わない。

「私の友人の夫が日本に出稼ぎに行ったのよ。半年も行けば1年は楽に暮らせるって言ってたわ。」

「あなたの宗教は?クリスチャンでも仏教でも困っている人を助けるっていうのがあるわよね。」

「あなたのドレス、ステキね。高いんでしょ?私もあなたみたいな洋服を着てみたいわ。」と私の目をジッと見たあと目線を床に落とす。

娘が席を立った隙に小声で「あの子を食べさせなきゃいけないの。でも、ほら、私、お金がないでしょ?大変なのよ。」と言う。

スリランカ滞在1日目でいきなりこれか、と少し悲しくなりつつも、なかなか冷めない紅茶を片手にこの家をいつ出るかだけを考えていた。

スリランカに着いたばかりでコーヒー1杯の値段も分からない。昨日空港のATMで下ろしたばかりの1000ルピーと100ルピーがどのくらいの価値なのかも分からない。さっき買った水は1リットルで70ルピーだった。とおばさんとの会話の合間に考えた。

温くなった紅茶を一気に飲み干して「私はただの旅人なので目の手術費用を助けることはできないけど・・・。紅茶ごちそうさまでした。」と言って娘に見えないように200ルピーを握手した手に渡して席を立った。

おばさんの隣に座っていた娘は、長い髪の毛の毛先をいじりながら床を見つめていた。

2人に別れを告げると、おばさんは家の外まで出てきた。

「ここに私の名前と住所を書くから持って行って。」と1枚の紙を渡された。

「日本人で誰か私を助けたいっていう人がいたら、紙にお金を包んでここに送って。ドイツと中国から送ってもらったことがあるけどちゃんと受け取れたから大丈夫よ。」

スリランカに着いてまだ12時間も経っていない。
ひと晩眠って、朝ごはん食べて、街に出てまだ30分の出来事だった。

P.S.
おばさんの要望で彼女の写真を載せています。
もし、もしも、もしも本当に、このおばさんを「助けたい」という方がいたらContactよりご連絡ください。

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この記事を書いた人

自然と芸術を愛する旅人。世界各地で家を借りながら暮らす「デジタルノマド」9年目。40ヶ国。

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